【必読】行政書士の自宅開業について(3)自宅開業のデメリットをなくす方法

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これまで行政書士の自宅開業をテーマに話を進めてきましたが、よっぽど営業が強かったり、仕事や取引先が確定している方でもない限り、多くの行政書士さんは「まずは自宅開業を選ぶ」ことが多いです。やはり金銭面を節約出来るメリットは大きいと言えるでしょう。

そこで今回は自宅開業を行う上で発生するデメリットをなくすにはどうすれば良いかを紹介していきます。

自宅開業で、工夫次第でなくせるデメリット

前々回の記事、行政書士の自宅開業についての考察(1)メリットとデメリットでは、主に以下の4点を自宅開業のデメリットとして掲げました。

  1. 自己管理(だらけないこと)が難しい
  2. 仕事とプライベートの区別がつけられず、休まらない
  3. 自宅の住所がバレる、自宅に訪問された時に辛い
  4. 依頼者に自宅開業だとわかると信用されないことがある(対外的な信用問題)

この中で特に1と2は自己管理と自分のタイプの問題、3については事務所を借りる以外対処が難しいのですが、4の対外的な信用の部分に関しては自宅開業であってもそれほどデメリットにならずに済む方法がいくつかあるので、それをご紹介したいと思います。

そもそも、自宅開業がなぜ信用に関わるのか?

では、自宅開業はなぜ信用されないことがあるのでしょうか?仕事がきちんとしてさえすれば別に自宅開業でも問題ないといえますよね。ところが、そうはいかない点が自宅事務所にはあります。

最大の問題点:打ち合わせ時の場所が居住空間になること

自宅事務所の最大の問題点は、打ち合わせ時に自宅スペースが使えない場合だと思います。特に居住スペースしかない自宅の場合、生活感丸出しの空間にお客さまを入れるわけにはいきません。

一軒家の持ち家などでオフィススペースを別で設けられる場合は別ですが、それ以外の場合は仮に自宅にきていただいたとしても、よっぽどおおらかなお客さんでもない限り「大丈夫か?この事務所・・・」と思われるのがオチです。

情報管理の面からも信用に関わる

また、プライベートで人の出入りがある可能性のあるような場合は、情報管理の面からも信用に関わります。実際、行政書士はお客様の個人情報など重要情報を扱う仕事ですから、情報管理については特に慎重に扱う必要があります。いくら「きちんとしてます」と言っても信用してもらえないでしょう。

仕事とプライベートが別れた空間を用意する必要がある

つまり仕事とプライベートが別れた空間を用意する必要があるということです。「打ち合わせ場所として、仕事とプライベートが分ける」ことによって、お客さまに与える心象にマイナスを与えないことが重要です。それさえ守ることができれば、自宅開業がお客さんにとってのデメリットにつながることは少なくすることができると言えます。

打ち合わせ時の場所問題を解決する3つの方法

1.打ち合わせのみ、外部スペースで行う

これは実際に自宅開業されている方が行っている方法です。打ち合わせスペースがしっかりしたところであれば、自宅開業であろうがお客様にわかりませんし、実際に問題がないわけです。打ち合わせをどこで行うかを解決できれば、自宅開業であってもそれほど問題ないといえます。

具体例としては以下のような対処法が考えられます。

  • こちらから依頼者(の会社、家)の方に行く
  • 打ち合わせ時のみ時間貸しのオフィススペースを借りる
  • 近場のカフェなどで打ち合わせを済ます

こちらから依頼者側に伺う場合は、お客さまとしてもありがたがられる場合も多く、全く問題ありません。

また打ち合わせ時のみの時間賀しオフィススペースを用意するのも手です。しかしその場合、多少時間ごとの料金は割高になります。また、他の方に借りられて使えない場合もありますので、自宅付近や交通の便がいいところにいつでも借りられるスペースをいくつかピックアップしておきましょう。

近場のカフェなどで打ち合わせをすませばいい、という方もいます。ただ、カフェなどはざっくばらんなお話をする時はいいでしょうが、正式な依頼を望まれているような角度の高い依頼の場合は、きちんとした場所を選ぶことをオススメします。お客様との関係性にもよる部分がありますので一概には言えませんが、カフェ利用には注意が必要です。

2.自宅兼事務所として事務所使用可の広めの家に引っ越す

自宅兼事務所にする場合の注意点として、賃貸の場合やマンションの場合、規約などの制限で事務所利用について許可が降りないことも結構な頻度であります。その場合は、事務所利用可の家に引っ越す方法が考えられます。1部屋増えるぐらいでしたら事務所を別で借りるよりも維持費を安く抑えることもできますので、長期的にはオトクになります。

ただ、新たに引っ越すことや敷金・礼金などの一時的な初期費用としてまとまったお金もかかってくるので、開業資金に余裕がない場合は難しいかもしれません。

3.対面打ち合わせがそれほど必要のない業務/サービスを選ぶ

全ての行政書士にオススメできる方法ではありませんが、打ち合わせがそれほど必要のない業務、Webやメール/電話のやり取りだけで完了できる業務のみを選んで仕事をする、というのも立派な選択肢です。

行政書士の仕事は数千種類〜1万種類以上、と言われており、開業するにあたってどの業務を選ぶかは行政書士に委ねられています。行政書士によっても「こういう働き方をしたい」「こういう業界で力を発揮していく」というのは異なるので、特にまずは自宅開業でスモールスタートをしたい、という場合には業務内容を選ぶというのも考えてみましょう。

自宅開業に向いている業務内容については、以下の記事も参考にしてみてください。
>>自宅開業に向く業務・向かない業務

まとめ

自宅開業か事務所を借りるか、というのは行政書士の開業に当たって必ず発生する問題です。しかしやはり、顧客がいない開業当初から事務所を借りて固定経費を増やすことは、基本的には避けるべきです。(お客様が来ない事務所にお金を払い続けるのは本当にもったいないです)

業務によっては、「案外自宅開業でも全く問題なかった」「気にしすぎだった」ということもあるので、自宅開業のデメリットをあまり大きく捉えすぎず、等身大の自分でまずはトライしてみる、くらいの感覚でチャレンジしてみるとよいでしょう。

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