『前払い・後払い』行政書士報酬を受け取るベストなタイミングとは?

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行政書士の報酬タイミングとは

行政書士の報酬額はそれぞれの行政書士が自由に設定できますが、『報酬をどのタイミングでいただくか』については行政書士法や規則で定まっているわけでもなく、その行政書士によって対応が異なります。

特に、新人行政書士としていきなり開業する方にとっては、その支払い料金が収入に直結するので死活問題にもなりえます。では行政書士として独立して、いざ仕事を取っていく時にどのタイミングで報酬を受け取るようにすればよいのでしょうか。

おすすめは「先払い」ベースでの報酬受取

結論から言うと、基本的には前払い(先払い)をベースとしたやり取りがベストです。
「そんな簡単に先払いでもらえれば苦労はないよ!」という声も聞こえてきそうですが、まずは冷静にその理由から見ていきましょう。

理由1)未払い・未入金のリスクがなくなる

依頼に対して「前払い(先払い)」にて報酬を受け取っていれば、「仕事を完了したのに入金がない」といった未払い・未入金のリスクを完全に排除することができます。また、特に創業時は資金も余裕がないことが多いですから、報酬が早めに入ってくることでキャッシュフローも相当楽になります。

理由2)未入金時の回収コストがなくなる

いざ未入金が発生してしまうと、「入金がされない」という事実に加え、さらに様々な労力・コストがかかります。回収のための電話・メール等での催促/請求書の再発行/入金確認/最悪の場合内容証明を作成して支払督促などなど。こういったコストも、前払いであれば考える必要がなくなります。また督促を行うことは労力もそうですが心理的にもかなり負担を強いられます。決して気持ちのいいことではないからです。そういったデメリットも可能性からなくすことができます。

理由3)仕事に集中しやすい

先に報酬が確定していると、「仕事をしっかりしなければならない」という心理的効果が働き、目の前の仕事に集中しやすくなります。また入金は完了しているのでそこに関するストレスや不安はなく、業務さえ完了してしまえば仕事は終わるという手離れの良さもあいまって、報酬回収に意識を割く必要がなくなり、そこにかける意識も無駄にせずに済みます。

理由4)管理が楽になる

前払いの場合、請求後の入金確認というフェーズがなくなるため、その管理コストが丸々かからなくなります。また入金確認が取れてから仕事に入れるため、やった仕事が無駄になる、ということがありません。後払いで請求してからずっと追い続けなければならない手間がなくなる、というのは行政書士としての仕事が増えてくるにつれ、この違いは大きくなってきます。

後払いのデメリット

ここまで、前払いにすべき理由、前払いにすることのメリットを見てきました。では逆に後払いにした時に起こりうるデメリットというのはどういったものがあるのでしょうか。

1.キャッシュフローがツラくなる

キャッシュフローがつらい

もし仕事の全てを後払い入金で受けてしまうと、仕事を完了しない限り入金がないため、非常に資金繰りが厳しくなります。特に行政書士の場合、仕事によっては業務完了までに数ヶ月を要することもざらにあるため、その間仕事だけして入金が一切ない状態というのはツライものがあります。

また、書類を作りにしても印紙代や消耗品費など様々なコストがかかるため、資金的な余裕がよほどない限りは気軽に後払いばかりで仕事を受けるのは危険です。

 2.未入金・未払いリスク

ほとんどのお客さんはきちんと支払いをしてくれますが、期日通りに入金がされなかったり、最悪の場合入金自体がされないというリスクはつきまといます。

また許認可の場合、万一許可が降りなかった場合に、申請作業自体はしたのだからといっても納得してもらえずになかなか顧客が払ってくれない、あるいは許可が降りなかったことに責任を感じて心理面での負い目を感じてしまい仕事をしたのにも関わらず費用を請求できない・報酬を請求しづらい、といったことにも陥りかねません。

最悪数ヶ月かかった仕事のお金が回収できない、というリスクが起こりえます。

3.未入金時の回収・催促・督促にかかる心理的負担、労力

後払いすべてに発生する、というわけでは決してないのですが、万一未払いが発生した場合には少なくとも相応の労力がかかります。

万が一お客様の報酬未払いが発生すると、回収のための催促連絡/請求書の再発行/電話での催促/最悪の場合内容証明を作って送ったり支払督促を行う必要が出てきます。そういったことは本来の業務からはかけ離れており、心理的にも取り立てをしているようであったり、自分が金にがめついように思えてきたりして、辛く、決して気持ちのいいものではありません。

それゆえ、未払いが発生した場合は泣く泣く踏み倒されたりする行政書士さんもいます。もちろんそこまでタチの悪いお客様は稀だとしても、悪気がなく支払い期限忘れているだけ、という場合も、どちらにしろ催促が必要で余計な労力が発生します。

4.新人のうちの後払いはトラブルのもと

もちろん後払いでもきちんと支払いを行ってくれるお客様はたくさんいますし、基本的に問題がない場合がほとんどなのですが、特に新人時代に報酬の支払い・回収でトラブルになるケースでは報酬額を後払いにしていたケースが多いです。

行政書士の仕事は、なぜか終わった後に難クセをつけられることも多いです。特に新人のうちは足元を見られたり、そもそもお金の話が苦手で打ち合わせで報酬の話をうやむやにしていると顧客側も「この人、ちゃんと払わなくてもいいのかな・・・?」という心理状態にさせてしまい、ますます未払いリスクが高まってしまいます。

前払い(先払い)をルールにしよう

前払いをルールにしよう

顧客との話の際に、しっかりと報酬額を決めて「入金確認後の作業開始となります」といったようにしっかりと握り、書面やメール等でも確認し、確認に確認をかさねておくようにしましょう。

特に報酬面や業務内容、納期などに関してはしっかりお客様と合意形成をするこが大切です。これは行政書士でなくともどんな仕事でも基本となることです。

最初は前払いに抵抗を感じる行政書士もいるかもしれませんが、前払いが前提の契約条件です、という風にこちらでしっかりと決めてしまえば、お客様にとってもそれがルールとなります。

お金に関することは曖昧にせず、しっかり話せるようにしましょう。

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