【最新版】行政書士の開業数と廃業数で見る実態

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行政書士の登録者と開業・廃業の実態

総務省のWebサイトに平成27年(2015年度)版の行政書士登録数の統計が乗っています。
※毎月の最新登録数の推移は行政書士連合会が発表している統計データを参照ください。

平成27年度当初における登録者数 44,740名
平成27年度中の新規登録者数 2,490名
法第7条に基づく登録抹消者数 1,789名
平成27年度末における登録者数 45,441名

 引用:総務省|行政書士制度  【表1】行政書士の登録状況(平成27年度)

行政書士の半数以上は3年で廃業する。

行政書士試験の合格者は、毎年4,000〜5,500人程度で推移しています。上記の表に該当する平成27年度の合格者数は5,820人でした。

上記のうち、弁護士試験に合格した人などを除き、行政資格試験に合格して新規登録した人は1,782人行政書士試験に合格して登録していたけど廃業した人が1,014人でした(行政書士は合格しただけでは開業はできず、日本行政書士会連合会への登録後に開業可能となります)。

単年度の割合だけではもちろん判断は出来ませんが、単純比率で行政書士の半分以上が行政書士登録を抹消(=廃業)しています。(実際に登録した3年で行政書士の半数は登録をやめると言われています)

それほど、行政書士として食べていく、ということは難しくまた長期に渡って行政書士で食べていける人は限られるということが言えます。

また、日本全体で言うと人口減少が続いているにも関わらず、行政書士の登録数自体は毎年800名程度ずつ増えていっていることも、競争の激化を助長していると言えるでしょう。

扱える分野の広さが、かえって仕事を難しくしている?

行政書士の仕事は、他の士業とは異なり1万種を超えるといわれ様々な業務に携われる反面、広すぎる分野を扱えることがかえって仕事の分野を絞りにくくしています。実務的な知識がないまま即開業が可能なため、営業力・コミュニケーション力などが足りない人にとっては開業後に仕事を取ったり事業継続をするのが難しい状況です。

また法の専門家である行政書士になったからと言って、弁護士法と行政書士法の違いがわかっていないなど、基本的な知識が不足していることによる失敗することがあります。

うまくいく行政書士を目指す

行政書士になる前に厳しい現実に目を向け、対策を立てよう

とはいえ、行政書士として開業してから10年以上続けている先生も沢山います。なぜなら行政書士には他業種にないメリットがあるからです。

行政書士のメリットもたくさんある

まず、行政書士の仕事は「資格がなければ仕事をやってはいけない」という法律(独立業務)でガチガチに守られているので、他の業界に比べればライバルも少なく、同業者同士が仲良く共存しているという世界です。

また、開業時にかかる費用も自宅で開業するのであればパソコンとプリンターがあれば仕事はできますし、開業にかかる費用も最初の行政書士会に登録するときに30万円ほどかかる出費の他に大きく係るものはありません。他の業界より全然安いです。

失敗する行政書士、廃業する行政書士というのは無計画であったり、資金繰りに無理があったりと「廃業するに足る理由」があります。自分がそうならないように、しっかりと対策を立てましょう。

 

 

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