行政書士試験の「商法・会社法」について
商法・会社法の特徴
範囲が広い割に問題数が少なく、難しく、配点が低い分野
商法は民法の一種だとみなされていますが、実質的には企業間の法規全般だといえます。出題数で見ると択一形式の問題が5問(各4点)で、配点は合計20点と、それほど問題数や配点が高いわけではありません。にも関わらず、条文数が1000を超えるなど、出題範囲が広く、しかも条文の内容が複雑で理解しづらい、非常にやっかいな科目といえるでしょう。
商法が1問、会社法が4問
最近の出題傾向は、この商法から1問、会社法から 4 問が出題されているようです。そもそも「商法」とは、商事・商売に関わる法律をまとめたものを言いますが、「狭義の商法」と「会社法」の2 つの種類に分けることができます。
「狭義の商法」を簡単に説明すると、「ビジネスに関する基本的ルール」です。「会社法」は、会社の設立・解散、組織、運営、株式などについて定められている法律です。商法は300、会社法に至っては1000以上の条文があります。
商法・会社法の対策として有効な勉強方法
対策1.商法の対策「きっぱりと捨てる」か「的を絞る」
商法に関しては、きっぱりと捨てるか的を絞ることで対策をすべきだと思います。
実際、私は商法に関しては完全に捨てていました。商法で小数点を狙うのならば、民法の記述で高得点を狙ったほうがよっぽどマシだと考えています。
もし商法を学習する場合は、試験範囲が限られるので各出版社などから出されている「予想模試」を解くことをオススメします。「過去問」ではなく「予想模試」であることがミソです。
実は、商法は同じ問題が2度出題されたことがありません。そのため、過去問ではなく、予想模試で出題された条文を中心に勉強を進め、また判例についても理解しておかなければ解けない問題も調べておけば「狭義の商法」の試験対策は十分に行うことができるでしょう。
対策2.会社法の対策「過去問を徹底的にやる」
会社法は商法に比べると出題数が多いので、優先して学習するならば「会社法」からやるといいでしょう。ただし、1,000以上の条文があるため、会社法の基本部分自体がかなり覚えることが多く骨が折れます。
そうは言っても条文全て暗記する必要はありません。特に会社法については、絞り基本中の基本だけを理解すると良いと思います。具体的には、まず過去問を解き、そこで出題された条文や判例を中心に覚えて理解していくのがオススメです。
商法・会社法の教科書作成法
商法に関しては作成するのであればやはり基本項目を徹底的に行うべきでしょう。
会社法に関しては過去問の踏襲性が高くなっていますので、会社法の中でも「登記」「設立要件」「株式と株主」とより出題率の高い部分に絞り理解を深めると良いと思います。
試験的には以上のアドバイスになりますが、商法・会社法は実務を行う上では必ずといっていいほど必要な知識になってきますので、折をみて学習することをオススメします。