行政書士試験の「基礎法学」について
基礎法学の特徴
出題範囲が広く、問題数と得点配分が少ない
行政書士試験の中でも、「基礎法学」は最も出題問題数が少ない項目です。試験に出題される基礎法学の問題は、例年2問ほど。全問正解しても8点にしかなりません。
その割に出題範囲が幅広く、具体的に出題範囲が決まっているわけではないため、どこから出題されるかわからずその全てを完全に網羅することは難しいです。
基礎法学に多くの時間をかけるのは効率が悪い
そのため、基礎法学に関しては「基礎法学のために時間をかけすぎない」ことが重要となります。基礎法学は学習範囲の割に得点配分が少ないので、それよりも出題数や配点の多い「行政法」や「民法」の学習に力を注いだ方が、はるかに効率がよくなります。試験に合格するという目的を最優先にした場合、基礎法学に多くの時間をかけることは得策でありません。
基礎法学の学習は後回しでOK
そもそも、「基礎法学」とは、“法学の入門編”という意味ではなく、刑法や民法などの法律の「根本」を支えている法理論のことを意味しています。法知識と法理解を求める内容の科目であり、あらゆる法律のベースとなるため、憲法や民法、行政法など、他の科目を学習していれば自ずと共通点や全体像が見えてきます。
行政書士試験で問われる「基礎法学」は、ここでいう共通点や全体像である言っても過言ではありません。行政書士試験の勉強の中で、他の科目を学んでいく過程で、基礎法学の試験対策が自然と為されていくと考えるとよいでしょう。
基礎法学の対策として有効な勉強方法
基礎法学についての勉強は後回しでOK、と書きましたが決して「無策で臨んでいい」と言っているわけではありません。出題されることがわかっているなら、最低限の労力で点も取りにいくようにしましょう。
対策1.過去問学習
基礎法学の対策としては、過去問10年分を分析し出題傾向を把握するようにしましょう。
基礎法学のための勉強をわざわざする必要はありませんが、過去問はしっかり解いておきましょう。行政書士試験は時折過去問の焼き直し問題が出題されます。テキストの基本的な内容はしっかりと理解し、学習した分野の問題には確実に正解できるレベルまであげておくことが重要です。
対策2.時事問題・法改正・ニュースなどについて情報収集
また、もう一つ重要な対策としては、話題になった時事問題や社会制度、法律の改正や判例については敏感になって情報を収集しておく、ということです。なぜなら、基礎法学の難しさは「試験範囲または内容が決まっていない」ところにあります。
最近の例で言うと、平成28年度の本試験で「今年こそ出る」と言われ続けてきた裁判員制度に関する問題が初めて出題されましたね。
こうした例もあることから過去問にかかわらず、
- 日常生活やニュースで話題になった時事問題
- 最近変更になった社会制度に関する話
- 話題になった法改正
など、日常生活に関わりにある時事問題については特に情報収集を意識しておくようにしましょう。
基礎法学の教科書作成法
基礎法学の教科書作成では、あまり風呂敷は広げずに基本的な内容を完全に網羅するものにしましょう。
ただし、基本的な部分に関して100%の理解が必要です。そのためには項目数は少なくても内容の濃い教科書を作成することが重要です。過去問とテキストで出題傾向を探り、効率的な学習を心がけてください。