行政書士の仕事内容とは?
「行政書士」という言葉は知っていても「そもそも行政書士とはいったいどのようなことをする人なのか」ということを知らない方がほとんどです。ここではそういった行政書士の業務や仕事内容について知っていきます。
目次
行政書士は、企業や一般の方と国・役所をつなぐ「パイプ役」
行政書士について、総務省が管轄している行政書士法のWebサイトを見ると以下のように定義されています。
行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合における当該電磁的記録を含む。以下この条及び次条において同じ。)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。
簡単にいうと、国や都道府県・市町村などの役所に届け出る書類を、企業や個人の依頼者に代わって作成し提出する職業ということであり、その書類作成業務や許認可申請などの代行業務が行政書士の主な仕事になります。
行政書士が関わる書類作成・許認可の代表例
行政書士が関わる書類作成、許認可申請代行の分野は様々で、ざっと書き出すだけでも以下のようなものがあります。
- 建設業許可
- 飲食店営業許可
- 風俗営業許可
- 産業廃棄物許可
- 自動車関連
- 交通事故損害賠償請求
- 会社設立
- 会計記帳業務
- 相続・遺言
- 土地利用関係
- 各種契約書の作成
・・・e.t.c.
「建設業を立ち上げたい」「飲食店を開店したい」「会社を設立したい」……。そういった場合に必要な書類作成等の行政手続を代行するのが行政書士の仕事です。
なぜ行政書士が必要とされるのか
では、なぜこういった書類の作成に「行政書士」という国家資格にまでなっている資格取得者が必要になるのでしょうか。それには、きちんとした理由があります。
行政書士の仕事には大きな責任が伴う
これまで紹介したように、公的な書類の作成には金額が動いたり、重要な権利に係るものが多く、書類を作成する際には正確性や責任が伴うため、素人がお金をもらって書類の作成を代行したりすると問題が起きかねません。行政書士はそういったトラブルを避けるために、書類作成の専門家として、きちんとした書類を作成する職業・資格として成立しています。
また、こういった書類の作成には法的な知識や専門知識が必要になることも多く、誰でも簡単にできる業務ではありません。また、書類作成にあたっては個人情報の適切な扱いなども必要になってきますし、顧客との適切なコミュニケーション能力なども必要になってきます。そういった意味で、国家資格取得者であることは技能的にも人間的にも正しく業務を行える、という一つの基準になると言えるでしょう。
「代筆屋さん」では済まされない大切な役割
行政書士は、官公署や行政機関への許可・認可に関する行政書類、権利義務、事実証明に関する書類の作成、代理提出を行ないます。そのため年配の方のなかには、「行政書士は代書屋さん」というくらいの認識しか持ち合わせていない人も時々いますが、行政書士の仕事は、決してそのような書類を作成・提出するだけの単純作業ではありません。
実際の業務では、行政的・ビジネスな視点から世の中の動向をとらえ常に変化に対応しながら、お客様の目的や狙いをよく理解し、目的を達成することが求められます。
そして法律や条例などの知識を駆使しながら、法令の許すかぎり、依頼者が必要とする許認可などをスムーズに取得できるように、また依頼者の利益を最大限守るようサポートするのが、行政書士の役割なのです。
行政書士の可能性と仕事の今後
行政書士は固い仕事と思われがちですが、実はビジネス的な側面も強くあります。
というのも、行政書士が扱うさまざまな申請書類は法律や条例などの変更に伴い新しく許認可が増えたり、変化したりといったことが頻繁にあるからです。そのため社会の流れや世の中の方向性、新しい分野の発達に合わせ、行政書士の仕事の種類はどんどんその数を増やし、複雑化したり、また不要なものの整理を繰り返したりしているのが現状です。
そのため行政書士が扱う書類は、運転免許証や契約書など個人に関するものから、会社設立やお店の営業許可申請までと幅広く、その数は、数千種類以上とも言われています。そしてその状況は、いまも刻々と変化をしているのです。
そういった意味で行政書士の仕事はやろうと思えば最新分野の仕事が出来たり、未開拓の分野でブルーオーシャンが狙えたりとやる気があればいろいろな可能性を生み出すことのできる面白い仕事であるとも言えます。
行政書士の仕事の将来性については以下の記事でも書いていますのでぜひご覧ください。