前回は、駆け出し行政書士としての私の実情をご紹介しました。
今回は皆さんが一番気になるであろう行政書士の平均年収について、解説をしたいと思います。
行政書士の平均年収
平均値(平均年収)というのは、士業の場合だと非常に面白いです。
ネットなどで噂される数字ですが、そのほとんどが根拠はありません。
「~と言われている。」や「~だと思われます。」というような伝え方でどれも曖昧ですよね。
まずは、行政書士の平均年収をハッキリとさせましょう。
行政書士の平均年収は約238万円
平成27年度の行政書士・司法書士の平均年収は約238万円です。
この数字は国税庁の申告取得税から洗い出した限りなく信憑性の高い数字です。
計算方法は、以下のようにしています。
(行政書士・司法書士の総取得額 – 行政書士・司法書士の総損失額)/(行政書士・司法書士の所得申告者 + 行政書士・司法書士の損失申告者)
要するに総取得額を申告者全員で割ることによって、平均年収を洗い出しています。
この数字を見てどのように感じましたでしょうか。
私は確実に少ないと感じました。おそらく皆さんも同じではないでしょうか?
なぜこのような数字になっているのか分析をしたいと思います。
平均年収238万円のカラクリとは
平均年収が238万円だとあまりにも低いですよね。
それでは所得額別の人数と割合を示した以下の表をみてください。
所得額 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
マイナス | 9033人 | 27.063% |
0~70万円 | 4830人 | 14.471% |
70~100万円 | 1135人 | 3.400% |
100~150万円 | 1830人 | 5.483% |
150~200万円 | 1848人 | 5.537% |
200~250万円 | 1613人 | 4.833% |
250~300万円 | 1489人 | 4.461% |
300~400万円 | 2553人 | 7.649% |
400~500万円 | 1900人 | 5.692% |
500~600万円 | 1468人 | 4.396% |
600~700万円 | 1131人 | 3.388% |
700~800万円 | 865人 | 2.592% |
800~1000万円 | 1198人 | 3.589% |
1000~1200万円 | 813人 | 2.436% |
1200~1500万円 | 667人 | 1.996% |
1500~2000万円 | 476人 | 1.426% |
2000~3000万円 | 341人 | 1.022% |
3000~5000万円 | 125人 | 0.374% |
5000~1億円 | 45人 | 0.135% |
1~2億円 | 15人 | 0.045% |
2~5億円 | 2人 | 0.006% |
5~10億円 | 1人 | 0.003% |
合計 | 33378人 |
この表では「マイナス~所得が70万円以下」の人数が全体の約40%を占めています。
これは何を表すかというと、行政書士として登録だけしている方が非常に多いことを表しています。
本業として行政書士として活躍をされている方は上記の層以外だと考えることが自然ですので、本来であればこの約40%の層は統計から外して考えたほうが良いわけです。
しかし、統計として数字を出すうえでは必要な数字のため計算の結果約238万円となっています。
では、その約40%を除外してみると実働している行政書士の平均年収が見えてくるのではないでしょうか。
実働している行政書士の平均年収とは
実働していると考えられる層で計算をすると平均約445万円となります。
平均約445万円だとどのように思えますか?やはり、まだ少なく感じるでしょうか。
私はこの数字が行政書士の平均年収として的確に表されていると思います。
行政書士の平均年収から分かること
先ほどの表を見ていただくと、70万円~2000万円までが差はあれど現実として存在することが分かります。
つまり、実働している行政書士の平均年収は約445万円であり、実力次第で2000万円以上を目指せると考えると良いのではないでしょうか。
どの業界でも同じことだと思いますが、やはり年収は自分次第で変わってきます。
また年収1000万円以上の人口は全体の約4%程度といわれていますが、行政書士だと約12%が年収1000万円以上を稼げている計算となります。
このように行政書士は実力がより反映されやすい職種であることは間違いなく、魅力的な職業であることに変わりなく思っています。